低音の会 パート2(The Chamber Music Jamboree)
今週12月9日のThe Chamber Music Jamboreeは「低音の会 第2弾」ファゴット・チェロ・コントラバスによるトリオとデュオのコンサート&飲み食べながらの自由エントリー制アンサンブル大会弾き合い会です。
曲目についてご紹介致します。
〜トリオ〜
Victor Frédéric Verrimst:Variations on Au Clair de la Lune for 3 Double Basses
〜Verrimstは1825年生まれ、パリコンセルバトワールでも教授を務めたフランスのコントラバス奏者です。「月の光に」というフランスの童謡を基にしたコントラバス三重奏の為のテーマと7つの変奏曲です。それぞれはシンプルで短いですが、ユニークなハーモニーや目まぐるしく動くスケールのオブリガードを含む可愛らしい曲です。ヴァリエーション毎に3人でそれぞれ順繰りにテーマを演奏するパートを選びました。
Eugène Joseph Bozza:Divertissements pour trois bassons
ファゴット三重奏の為の作品です。ボザは管楽器の曲を沢山書きましたがご本人はヴァイオリンを勉強されていたらしく、今回初めて取り組んでみて時折弦楽器っぽいような(失礼?)歌い回しもある事に気が付きました。フランス音楽らしい流麗なパッセージと時に刺激的なリズム、艶やかなハーモニーが魅力の作品です。
Sy Brandon:Movie Music
Brandonは1945年生まれのアメリカの作曲家・チューバ奏者。この作品は「テーマ」〜「ラブソング」〜「追跡」の3つの楽章から成っています。楽器の指定はなく様々な編成で演奏可能なようにヘ音記号バージョン、ト音記号バージョン、E♭バージョンなどが出版されています。
〜デュオ〜
Hans Gál:Divertimento opus90/1 (fg,Vc)
ガルは1890年生まれのオーストリアの作曲家でウィーン後期ロマン派を継承した保守的な作風を貫きました。
この作品は1958年作曲、Dialogue〜Scherzino〜Fughettaの3つの楽章から成っています。暖かいtranquilloから始まって、伝統的なスケルツォと少しミステリオーソなトリオ、軽快なフーガで曲を締めくくります。
Edward Elgar:Duett for trombone and double bass (fg,cb)
言わずと知れたイギリスの大作曲家エルガーが残した珍しい室内楽作品で元々はトロンボーンとコントラバスの為のデュオです。アマチュアコントラバス奏者だった友人の結婚のお祝いに作曲されトロンボーンはエルガー本人が演奏したようです。その献呈された家族のもとに手稿譜が残されておりエルガーの死後出版されました。短く快活な作品です。
Domenico Dragonetti:Duet for Cello and Contrabass (vc,cb)
ドラゴネッティは1763年生まれのイタリアのコントラバス奏者で、ベートーヴェンやハイドンとも交流がありました。ベートーヴェンのチェロソナタ第2番をコントラバスで演奏してみせ、ピアノを弾いていたベートーヴェンがそのあまりの見事さに感激し「コントラバスでもいろいろと難しいパッセージが弾けるんじゃん」という事でそれ以降、ベートーヴェンの交響曲のコントラバスパートがややこしくなったとか…そんなドラゴネッティですが、この作品は現在は絶版になっていて手稿譜がロンドンの大英博物館に収蔵されているようです。ドラゴネッティは30歳の頃にロンドンに移り住み1864年に83歳で亡くなるまでロンドンで過ごしましたが、その間イギリス人チェロ奏者のロバート・リンドレーと50年以上にわたりデュオとして演奏していました。その頃の作品と思われます。アダージョとロンドから成り手稿譜には細かなテンポの設定が書かれていない事と、長年の友人と演奏する為の楽譜でありきっと何度も演奏したのだろうから書かれてない事も自由にやったのではないか?という空想のもと、最後の部分ではやや自由に演奏しようと思っています。
東京バッハハウスアンサンブル
ファゴット:東実奈
チェロ:馬場隆弘
コントラバス:関ますみ
前売り券:2000円
(ウェルカムドリンク付き・軽食フリー)
お問い合わせ:050-5809-5375
http://www.shitsunaigaku.com/bach_house/chamboree.html
第2部は恒例のアンサンブル大会です!そちらでもまた違った曲を取り上げてみたいと思います!もちろんエントリーして自由に演奏して頂く事が可能です。素敵な時間となりますように!